首相「東アジア共同体構想を現実に仕立てる」(産経新聞)

【鳩山会見詳報(2)】(26日午後)

 「ある意味で、まぁ、こう言ってはいけないかもしれませんが、『ぶら下がり』という今までの慣習的なやり方よりも、もっと多くの皆様方に開かれた記者会見を、より多く開かせていただくことの方が望ましいのではないかと考えております。一方、さらに申し上げれば、これは官房長官とも、よく相談をしなければなりませんが、いわゆる官房機密費、内閣報償費を開いて参ります。国民の皆さんに、税金なんですから、もっと、いつの時代には、このように使われていたんですよ。わかるような形に仕立てていかなければいけないんじゃないか。旧政権との大きな違いを、このようなところに作り上げてまいりたいと思っております」

 「『国を開く』とは何か。私は2つ申し上げたい。その一つは、国が今まで行っていたものを、これからは、地域に任せる。いわゆる地域主権の国づくりに大きく転換をしていく。地域が疲弊しています。地域の活力をもっと高めていくために、国の権限をこれからは、基本的には地域に委ねる。地域に任せる。そんな社会に大きく変えていきたいと考えています。そのためには、義務づけ、枠づけ。こういったものの根本的な見直しとか、あるいは、まずは一括交付金化を行って、いわゆる補助金で、国から地方へ、ひもが付いているような状況は、一切無くしていきたいとも考えております」

 「もう一つは、私が年来、申し上げております、国を世界に向けて、特にアジアに向けて開く。『東アジア共同体』という構想を、これを現実のものに仕立て上げたいと思います。EPA、FPAという、いわゆる自由貿易の方向は、さらに戦略的に行ってまいりたい。特に、日本と韓国との間のEPA、FTAを再開をさせていきたいとも思っております。投資環境、日本にはなかなか投資できないね。そのような、いわゆる非関税障壁は、できるだけ早く、取り除いていかなければならないことも、言うまでもありません」

 「ただ、それだけではなく、人を開かなければなりません。どうも、日本人、まだまだ心が閉じている部分もあります。これからは、私たち、おじいちゃん、おばあちゃんに対して、看護をしよう、あるいは介護をしたい。そういう世界からの声に、もっと応えるような日本にならなければいけないと思っております。このような意味での、国を開くということは、大変これからの日本にとって重要だと思います」

 「そして、その2つ。官を開く、国を開くことによって、結果として、未来を開くということが、できようかと思います。『新しい公共』のあり方、地域主権を作り上げていくこと。このことによって、一人一人の皆さん方が、いわゆる今まで、経済の尺度のなかで、自分の幸せを得ようと努力してきた。これからは、経済という尺度だけではなく、さまざまな多様な尺度のなかで、幸せをもっと身近に感じていただけるような世の中に変えていくことが必要ではないか。私はそのように感じております。それを行うことによって、日本という国を、未来に向けて大きく開くことができると思っております」

 【時計の針戻すな】

 「最後に、申し上げたいことがございます。私ども、衆議院、参議院で、特に予算委員会を通じて議論をしてまいりました。年金の議論、社会保障の議論、あるいは財政の議論、大変、未来を占うために、難しいテーマでございます。こういったテーマに関して当然、言うまでもありませんが、まずは政府がしっかりとした提案を作り上げていくことは論を待ちません」

 「しかし、ある一定の時に、野党の皆様方にもご協力をいただきながら、協議を深めていくことも、必要ではないか。このような大きなテーマに関して与党だ、野党だ、いがみ合うようなときではない。むしろ、大きなテーマに向けて、国をあげて取り組む姿勢も、いつの時代か、作り上げていかなければならないと思っております。さらに『政治とカネ』の問題に関しても、冒頭にも申し上げましたけれども、この問題に関しても、与野党、協力をしていきながら、解決の道筋を作り上げていくことが、大変重要なのではないかと思います」

 「改めて、申し上げたい。私ども、政権を握らせていただいて半年たちました。さまざま、未熟なるがゆえに、問題点も抱えていると思います。しかし、決して、時計の針を逆に戻してはならない。大きな未来に向けて、時計の針をもっと勢いよく回せるような、そんな政府を作り上げてまいりたいと思っておりますので、どうか、国民の皆様方にも、辛抱強くご指導いただけますように、お願いを申し上げて、まずは、冒頭の、私からの、国民の皆さん方へのメッセージといたします。聞いていただいた国民の皆さんに厚くお礼を申し上げます。ありがとうございます」

=(3)に続く

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